2025.02.01 Sat
背任事件で東京女子医大学への補助金全額不交付に
元理事長の背任事件で東京女子医大学への私学助成金が全額不交付に
最近、文部科学省の外郭団体が、東京女子医科大学への国の補助金を全額不交付とする決定を下しました。この背景には、元理事長の背任事件が大きく関わっています。
この団体、「日本私立学校振興・共済事業団」は、私立大学に対して学生数に応じた助成金を毎年交付しています。しかし、先日開催された審議会と理事会では、2024年度の東京女子医科大学への助成金の支給が全額停止されるとの決定が出されました。
この決定の理由として、元理事長(78歳)の女が背任の疑いで逮捕されたことが挙げられています。調査の結果、大学の管理運営が不十分であったことや、推薦入試において寄付が考慮されていた事実が明らかになりました。そのため、この大学の2024年度の助成額、約20億円が失われることとなります。
加えて、日本大学についても、過去4年間にわたり補助金が不交付とされています。24年度の全額不交付については、昨年発覚した重量挙部の幹部による不正な金銭徴収問題が影響していると考えられています。日本大学は2020年度に約90億円の助成金を受けており、その規模を考えると、この不交付は大きな影響を与えるでしょう。
これらの事件は、教育機関への信頼を揺るがすものであり、今後の管理体制や運営に対する厳格な見直しが求められます。企業や団体だけでなく、私たち一人ひとりも、こうした問題について関心を持ち続けることが重要です。
東京女子医大の背任事件、逮捕された元理事長が指示したキックバック
東京女子医科大学で、新校舎建設にまつわる背任事件が明るみに出ました。逮捕された元理事長の容疑者が、建築士に対して報酬の「3分の2を戻すように」という指示を出していたことが、捜査関係者からの情報でわかりました。
元理事長の容疑者は、2018年から2020年にかけて、新校舎の建設工事に関連し、実態のない業務に対して約1億1700万円を大学から不正に支出させたとして、最近逮捕されました。捜査によると、彼女は副理事長としての立場を利用し、建築士への報酬の取り決めを事前に行っていたようです。
具体的には、元理事長の容疑者は2017年12月に元職員の女性に対して、「施工費の1%を建築士にコンサルタント料として支払うように指示し、その3分の2を戻させる計画を立てていた」とされます。建築士には、大学関係者との間で報酬を3等分するよう説明するように指示していました。これにより、元職員は建築士にその通りに説明し、合意を得たと考えられています。
さらに、元理事長の容疑者は理事会で「建築士の業務実績に対して給与が低すぎる」と述べ、この報酬は十分に精査されずに承認されました。その後、建築士の口座には実際に1億円以上が振り込まれていたといいます。そして、建築士が手にした金額の3分の2にあたる約3700万円が元職員を通じて元理事長の容疑者に渡されていたとされ、その流れは警視庁によって明らかにされています。
警視庁は昨年、元理事長の容疑者の自宅や関連施設を捜索し、約2億円の現金や金塊などを押収し、大学の資金の流れについて詳しく調べています。現在、建築士や元職員についても調査を続けています。これらの出来事は、大学の内部での不正行為がどのように行われていたのかを示しており、私たちに重要な問題を考えさせる材料となります。
極めて残念な事件
文科省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」とは?
日本私立学校振興・共済事業団は、私立学校の教育をさらに充実させ、経営の安定を図り、教職員の福利厚生を支えるために設立された特殊法人です。この団体は、私立学校教育の向上を目指し、さまざまな業務を一手に行っています。
具体的には、以下のような助成事業や共済事業を展開しています:
- 助成事業:補助金の提供や資金の貸付を通じて、私立学校の教育や経営を支援します。
- 共済事業:私立学校で働く教職員の福利厚生を向上させるための共済制度を運営しており、教職員が安心して働ける環境を整えています。
- 福祉事業:病院や宿泊施設を運営し、教職員の生活をサポートするさまざまなサービスを提供しています。
- データの収集・発信:私立学校に関するデータを集め、その情報を発信して私立教育の質向上に貢献しています。
この事業団は文部科学省の指導のもとに運営されており、1998年に日本私学振興財団と私立学校教職員共済組合を統合し、現在の形が作られました。直営の施設としては、東京臨海病院をはじめとし、総合運動場や宿泊施設を全国に展開しています。
また、加入者証には、特定の保険者番号が与えられており、34から始まる8桁の番号で識別されています。このように、私立学校振興・共済事業団は、教育現場を支える重要な役割を果たしているのです。私たちの未来を担う子どもたちのために、こうした団体の活動はとても大切です。
外郭団体は多数存在する
実は毎年のように不正受給されている
不正受給といえば、コロナ化の持続化給付金の不正受給などは大々的に報道されていましたが、実が大学や企業には毎年のように安定した多額の給付金や補助金が支給されています。
今回の場合は経常費補助金(私学助成金)ですが、国公立を含め毎年多額の補助金が各教育機関に支給されています。
研究機関を含めこれらの国益につながる助成金や補助金については必要なことと感じる一方、毎年のように不適切な用途や不正な利用をして不交付や処分、処罰などを受けているごく一部の研究者や教育機関従事者が一定数存在するのが現実的な問題でもあります。
ですが、地道に研究や教育のために従事している方々がほとんどです。
しかし、こういった不正受給や横領、架空請求や背任行為などが、日々しっかりと研究や教育に尽力している多くの人々に多大な迷惑や風評被害を与えていることを、私利私欲のために犯罪に手を染めてしまった犯人たちは想像していないことがほとんどかもしれません。
ごく一部の不正が常態化してしまっている
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